思い出の昭和、そして上月町
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(第59話)昭和のモバイル小僧

<<2008.01.03記>>
第何回目の記事だったか忘れましたが、昭和40年代にはすでに我が家には3.5インチオープンリール式テープレコーダーがあったということを書きました。
姉の持ち物でしたが、昭和43年ごろにはすっかりと私のものになりました。賢い(?)私は電池がもったいない・・・・と筐体の横をみました。するとDC9Vと書いた丸い端子があるのに気がつきました。そうだ、これは家庭用の電源からこれに接続できる何かがあるに違いないと踏んだ私は、早速駅前の神原という電気屋に走りました。
店番をしているおばちゃんに訊くとたしかにそういったものがある。そしてそういったものの名前はACアダプターと言い、それは2000円する・・・と教えてもらいました。早速に母親に相談して(ねだって)買ってもらいました。
外付けACアダプターは、それほどに当時はまだ珍しかったのです。大概の機器は電源を内蔵していましたから。
さて、そのテープレコーダーの型番はたしかHitachiのTR-****というようなものだったと記憶しています。3.5インチオープンリール(まだまだカセットは普及していません)であり、テープスピードは4.75Cm/sと9.5Cm/sの2スピードでした。乾電池6本を入れるDC9Vで動作。AC電源は先ほど書いたとおり別売りアダプター。モーターはもちろん1モータ、ヘッドは2ヘッド、2トラックモノラルというものであります。
さてさてここから本題です。
実はそのテープレコーダーにはリール部をすっぽりと覆うカバーがついていたのです。
カバーをつけると操作面とそのカバー面がフラットになります。しかもそのカバーをつけたまま録再ができるようになっていたのです。テープの残量はそのカバーに広く設けられた透明部から確認できます。
その形態のおかげで私はそれをモバイル運用したのです。4段変速の我が愛車の自転車の荷台に座布団を置きます。その座布団の上にそのテープレコーダーをゴムで縛り付けます。こうすることによってテープレコーダーは荷台から滑り落ちることなく、しかも座布団がクッションとなって非常に具合がよろし・・・・・
そして手を後ろに回せば、操作レバー、音量つまみに手がとどくのです。走りながら操作が可能となります。
中学1年の私は昭和44年秋の上月の町を、音楽を鳴らしながら疾駆したのであります。
どないですか?昭和44年の秋には立派にモバイルをしていたのです。
でもけったいな子に見られましたでしょうなあ・・・・・ハズカシ・・・・・
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