思い出の昭和、そして上月町
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(第49話)フォノシート

<<2007.2.15記>>
昔々、レコードが欲しくても高くて買えない子供がいました。そんな子供たちにとって、音はともかく「フォノシート」というペラペラのレコード(?)は大いなる音楽体験拡大メディアでありました。
そんな私の中学生時代に二度ばかり通販で「フォノシート」を買った記憶があります。さすがに音質はお世辞にもよろしくなく、まだまだオーディオという趣味に走る前の私でさえ、その音質の悪さに驚いたものです。
しかしながら、このメディアが今の私の音楽に対する大いなるきっかけを作ってくれたものでもあるのです。
さて、その「フォノシート」とはどんなものであったか?と言いますと・・・・
当時の通常のレコードはポリ塩化ビニルで出来ていて、ステレオ録音(もちろんモノラルもあるが)されているのですが、フォノシートはペラペラのビニールで出来ていました。
雑誌のおまけについてきていたりしたものですが、単独で通販されてもいました。
私が買ったのは中学一年生の秋のことでした。芸能雑誌の裏表紙だったか、そういったところで広告されていました。手書きの注文書とともに切手を代金として封筒に入れ送ります。確か一枚50円ほどではなかったか?と思います。
チャイコフスキーの白鳥の湖「情景」とか、ベートゥベンの交響曲第五番ハ短調の第一楽章のみが入ったものを買った記憶があります。また映画音楽では「太陽がいっぱい」とか買いました。ところで今思うのですが、著作権なんてどうなっていたのでしょうね?
そしてさすがにあまりの音の悪さにそれ以上買い続ける気は全く起きず、当時台頭してきた廉価版のLPレコードを買うようになりました。1000円という価格で買え、結構多くのクラシック音楽を聴くことができました。最初に買った廉価版は「ショスタコーヴィッチ作曲交響曲第五番、レオポルド・ストコフスキー指揮」でした。これに感激した私は「モーツァルト作曲ピアノ協奏曲戴冠式」も買いました。
何度も書きますが、この私のあらゆるジャンルの音楽を愛する姿勢を作ってくれたきっかけがフォノシートであったというのは言いすぎでは無いです。
余談:そのフォノシートを再生する装置はわずか\6480という6BQ5シングルステレオアンプ内臓のステレオでした。クリスタルカートリッジ、17Cmターンテーブル、10Cmシングルコーンフルレンジ一発というステレオ装置で聴いたのです。
また、当時同じようなペラペラレコードで「ソノシート」と言うものもありましたが、こちらは朝日ソノラマの商標であったようです。
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